NASA米航空宇宙局が7日、火星の希薄な大気の中を飛行している小型ヘリコプター「インジェニュイティ」のローターブレードが発する低音が初めて録音された音声を公開しました。
フランス通信によりますと、NASAは、先月30日にインジェニュイティが4回目の飛行実験を行った際の様子を火星探査車「パーシビアランス」が撮影した最新映像を今回、音声付きで公開しました。
3分近い映像は、ジェゼロクレーターで風が吹いているざわめきから始まり、インジェニュイティが離陸して往復で262メートルの距離を移動する間、ローターブレードが毎分約2400回転する低音をかすかに聞き取ることができます。
火星の大気濃度は、地球の約100分の1しかないため、火星は地球よりずっと音が発生しにくくなっています。パーシビアランスは、インジェニュイティの離着陸地点から80メートル離れた場所で待機していたため、今回のミッションを担当しているエンジニアらは、インジェニュイティの飛行音が拾えるかどうか確信を持てずにいました。
仏トゥールーズにある航空宇宙高等研究所ISAE-SUPAEROの教授で火星用スーパーカムのマイクを統括しているダビド・ミムン氏は、「これは実にうれしい驚きだ」と述べ、「火星の大気のせいで音はかなり伝わりにくくなるため、テストとシミュレーションでは、あのマイクでインジェニュイティの音はほとんど拾えないだろうという結論を得ていた」としました。
さらにインジェニュイティの飛行音について、「火星の大気についての理解を深める上で情報の宝庫になるはずだ」と説明しました。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj
https://www.instagram.com/parstodayjapanese/
http://urmedium.com/c/japaneseradio