皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「この柱からあの柱までの間に活路がある」です。
ペルシャ語での読み方は、Az iin sotuun taa aan sotuun faraj astとなります。
このことわざは、困難や苦境に陥っても希望を失ってはならないことを意味し、以下のような物語に由来しています。
ある無実の男が罪を着せられて死刑判決を受け、いよいよ仕置き場の柱に縛り付けられて刑が執行されようとしていたときに、最後の温情として向かい側の柱に縛り付けてくれるよう頼んだ際、ちょうどそこを王様の列が通りかかり、王様に無実を訴え事情を話して不当な刑罰から釈放された、というものです。
日本語でも、「窮すれば転ず、転ずれば通ず」と言われますが、何かに行き詰った時、それこそ「人生詰んだ」と感じた時等に希望を失わず、自分のそれまでのやり方や身の置き所を変えてみることで、予想もしていなかった思いがけない道が開け、意外な成功につながった、という話はよく聞かれます。
皆様もよくご存知のように、世の中は諸行無常であり、仮に今逆境や苦境にあったとしてもそれがずっと続くことはありません。一時期苦境に陥っても希望を失わず、それまでのあり方を見つめなおすなどして、成功するための努力を怠らないようにしたいものですね。それではまた。