新型コロナウイルスの世界的な広がりによる生活環境の大きな変化で人々が不安やストレスを受ける中、そのような人々の心を癒やしてくれるロボットが注目されています。
これらのロボットは、犬や猫などといった生き物のペットと違って、基本的に餌やりなど普段の世話をする手間や金銭的なコストがほとんど発生せず手軽であるにもかかわらず人々のストレスを軽減させ、人間に寄り添うロボットとして1つのジャンルを築き始めています。
GROOVE Xの「LOVOT」は、飼い主に甘えたり勝手に歩き回ったり、飼い主が帰ってくるとお出迎えをしたりなど、ペットのように振る舞ってくれるロボットです。内部には高性能なCPUに加えて50個以上のセンサーが搭載され、その振る舞いは事前にプログラムされたものではなく、センサーから得た情報を機械学習で処理してリアルタイムに行動に反映されます。
このようなロボットには、他にも様々なタイプがあります。ユカイ工学が提供する「Qoobo」は、動物の尻尾のようなものが付いたクッション型のセラピーロボットで、2018年から発売されています。しかし今回のコロナ禍によって、想定していなかった利用法として、リモートワーク中に膝に乗せて使うユーザーが増えていたことがツイッターなどで多く見られたということです。
医療・介護分野でのコミュニケーションロボットの活用について研究を進める、獨協医科大学教授の坂田信裕氏も、「人が触れることを前提として設計されたコミュニケーションロボットは、その存在感により、人の気持ちや感情を変化させる」と述べています。