KCNA北朝鮮の国営朝鮮中央通信が、米政府が朝鮮半島の非核化に向けた外交交渉の用意があると表明したことを受け、外交は米国の「敵対的行為」を隠すための「偽りの看板」だとして、対米交渉を否定する北朝鮮外務省の談話を報じました。
フランス通信が2日日曜、報じたところによりますと、北朝鮮外務省は、米国務省が先週、北朝鮮を「世界で最も抑圧的で全体主義的な国家のひとつ」と呼んだことを「政治的欺瞞」だとして非難しました。
そして、米国務省が北朝鮮の人権状況を批判したコメントに対しても「人権を語る資格はない」と反発し、「米国では社会的不平等と人種差別で毎日罪のない人々が命を落とし、新型コロナウイルス感染症で58万人が死亡している。米国自体が人権の不毛地帯だ」と主張しています。
また、キム総書記の実妹・キムヨジョン朝鮮労働党副部長の談話として、韓国の脱北者らが軍事境界線付近で北朝鮮批判のビラを散布した行為に強く反発し、「ヨジョン氏は脱北者団体を『汚い人間のくず』、ビラ散布を『下劣な行為』などと呼び、深刻な挑発行為とみなして対抗措置を取ると警告している」と報じました。
ヨジョン氏はさらに、「韓国では昨年、ビラ散布を違法とする法案が可決されたにもかかわらず、韓国当局は散布を阻止できなかった」として責任を追及しています。
KCNAは、バイデン米大統領の先月28日の議会演説での対北朝鮮発言について、「冷戦思考で時代遅れの政策」だと反発を示すとともに、バイデン氏は北朝鮮に「旧態依然」とした姿勢を取るという「大きな失敗」を犯した、と報じました。
そして、「バイデン氏がキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記を冒涜した」として非難し、北朝鮮外務省の別の談話として、「わが国を挑発すれば米国が傷つくことを理解するよう十分に警告してきた」と報じています。
バイデン米大統領は先月28日の議会演説で、北朝鮮の核開発を「米国と世界に対する安全保障上の深刻な脅威であり、同盟諸国と緊密に連携していく」としていました。
一方、韓国の統一省はヨジョン氏の今回の発言に対し、「朝鮮半島で緊張を高める行為に反対する」との立場を明らかにし、ビラ散布問題については、「警察が専門担当チームを構成し捜査を進めているため、(北朝鮮に向けたビラ散布の禁止を盛り込んだ)南北関係発展に関する法律の改正法が南北境界地域住民の生命と安全保護のための趣旨に合うよう確実に履行されなければならない」と強調しています。
なお、専門家らは、北朝鮮がこれに先立ち、南北融和路線を維持するムンジェイン現政権と米国との間にくさびを打ち込もうとした可能性を指摘しています。
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